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ターシャ・テューダー 静かな水の物語 [日本&アジア映画]

 ずいぶん前になりますが、友達がターシャ・テューダーのクリスマスカードをくれたので、彼女がコーギー犬が大好きな絵本作家で、アメリカのバーモント州でスローライフを実践している人だということを知りました。その後、NHKのドキュメンタリー番組でターシャ・テューダーの生活を取りあげたものが何度か放映され、とても興味深いと思いました。私はボランティアで子供図書室活動をしていて、ターシャの絵本を子供たちに読んだりすることもあります。
 今回の映画はそのNHKのドキュメンタリーシリーズを手がけた松谷満江監督が、新たにターシャの生活に密着して追加撮影した映像を、元のものに加えて完成した映画です。


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 ターシャ・テューダーは1915年ボストンの名家に生まれた。父は飛行機、ヨット、帆船などの設計技師、母は肖像画家だった。9歳の時両親が離婚し、コネチカット州の両親の親友の家に預けられその家の型破りな気風に影響を受けた。 


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 19世紀の農村の暮らしにあこがれていたターシャを、母は名家の娘として社交界にデビューさせようとしていた。けれども娘は母親の想いを振り切って、22歳の時、農業をすることに同じ思いを持っていたトマス・L・マクリーディと結婚。数年後二人はニューハンプシャー州に広大な農場を購入した。そして農業を中心として、花壇を作ったり、年中行事を大事にすることなどを通して4人の子供を育てあげた。


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 結婚した後、夫の姪を主人公にした手作り絵本が出版社に受け入れられ、絵本作家としてデビューする。子供や身の回りの動物たちを題材にした、リアルで優しい筆致の絵が一般に好まれ、ターシャの絵本はアメリカの絵本界の最高の賞(コールデコット賞)を受けるまでになる。
 けれども、夫は次第に農業に興味を失い二人は離婚。ターシャは絵本、挿絵、グリーティングカードなどの作成により、収入を得子供たち4人を育てたのだった。


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 ターシャが仕事(絵を描く作業)をしているところ/ターシャと最後に飼ったコーギー犬メギー

 56歳のとき、バーモント州の山の中に森に囲まれた荒れ地を購入し、長男で家具職人のセスに家を建ててもらう。それを「コーギーコテージ」と名付け、荒れ地を何年もかけて自らの手で花でいっぱいの美しいガーデンに創りあげる。そしてスローライフを実践していくのだった。


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 ターシャとその家族

 いくら家族がよく訪問し、コーギー犬のメギーや他の動物がいて、没頭できる仕事があるとはいえ、山の中の一軒家で暮らすというのは、本当に精神的に強くなければできないことだろう。

 ターシャは色々な言葉を残している。
 「一生は短いんですもの、やりたくないことに時間を費やすなんてもったいないわ」

 「人生はたくさんの小さい選択の積み重ね。誰に会って誰に合わないか、それは大事なこと」

 「心は1人ひとり違います。その意味では、人はいつも”ひとり”なのよ」

 「近道を探そうとしないこと。価値ある良いことはみんな、時間も手間もかかるものです」
  などなど。

 農業で鍛えた丈夫な体と精神をもって、ひたすら自分の人生を創りあげてきた偉大な人だと思います。2008年に天国に召されましたが、思い残すことのない人生だったことでしょう。少しでも近づくことができたらと思いました。では最後に「ターシャの庭」をお楽しみくださいませ。

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監督:松谷光絵 出演:ターシャ・テューダー、 その家族と友人たちと動物たち




喜びの泉ターシャ・テューダーと言葉の花束

喜びの泉ターシャ・テューダーと言葉の花束

  • 作者: ターシャ テューダー
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 1999/11/17
  • メディア: 単行本





ターシャテューダー クリスマスのまえのばん

ターシャテューダー クリスマスのまえのばん

  • 作者: クレメント・クラーク ムア
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本



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メットガラ ドレスをまとった美術館 [外国映画]

 あの「プラダを着た悪魔」のモデルとなったVOGUE編集長アナ・ウィンターが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開いたファッションイベント”メットガラ”の舞台裏を描いたドキュメンタリーです。
 アナ・ウィンターはメトロポリタンの理事も務めているそうです。そしてメットの服飾部門の資金集めに始めたのがメットガラと呼ばれるレセプションであり壮大なパーティーです。毎年5月の第1月曜日に開かれます。


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 メトロポリタン美術館とアナ・ウィンター(いつもスタバのコーヒーを飲んでます。)
 
 2015年5月2日、NYメトロポリタン美術館(MET)。伝説のファッション・イベント“メットガラ”が華やかに幕を開けた。2015年のテーマは「China: Through the Looking Glass」(鏡の中の中国)。中国の服飾や陶器だけでなく、欧米のそうそうたるデザイナーが中国のアートに刺激を受けてデザインしたドレスも展示される。フランスの一流メゾンの鮮やかなオートクチュールの数々、豪華セレブリティがレッドカーペットを彩るガラパーティー……。企画展示を担当した革新的キュレーターのアンドリュー・ボルトンと、主催者である“プラダを着た悪魔”ことVOGUE編集長アナ・ウィンターにカメラが密着。ゴージャスな一夜を生み出すまでの8か月を追う。


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 メットの大階段と カップルで登場のジョージクルーニー


 いやはや、こんなにゴージャスなパーティーは観たことがない。セレブたちのドレスは全てオートクチュールがお金をだしている。しかもこのパーティーの席料は1人当たり25000ドル(約285万円)で600席が瞬時に満席になるのだそうだ。この収益金は、メットの服飾部門の1年間の活動資金に充てられるとのこと。
 
 たくさんのスターやセレブやオートクチュールデザイナーが次々登場する中、最も目を引いたのは若きポップスター、リアーナだった。彼女のドレスは中国人デザイナーのグオ・ペイが担当したものだ。

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 日本のCMで有名なジャスティン・ビーバーも参加していたが、終始テンションが高く同行の友人とふざけていた。

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 この壮大な展覧会の準備に奔走するのは、メット服飾部門の革新的キュレーター、アンドリュー・ボルトンである。とても感じのいい人だった。

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 ドレスの展示に余念がないアンドリュー・ボルトン 


 そして服飾部門の裏方の人達は、有名やブランドデザイナーから借りた服を慎重に扱い、それらのほころびを修復し、シワをのばしていた。非常に念の入った神経を使う作業だろう。

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 アナ・ウィンターが、ギャラのための、パーティーの席順を決めるのに苦慮しているところと、彼女の私宅での様子。やはりどこにいても忙しさに変わりはないようだ。アナいわく、こういう企画を成功させるには「アートと商業的な才能がどちらも必要」とのこと。

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 その他、ウォン・カーウァイを芸術監督に迎え、デザイナーたちに影響を与えた映画を会場で上映した。キュレーターのボルトンいわく、ウォンは他の人とは思考のプロセスが全く違う、詩人のような人物で、準備中は彼の詩のような言葉を理解する喜びを味わったとのことだった。

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 展示の一部。このほか、陶器でできたドレスなど面白いものがたくさんあった。

 この映画の中で議論されていたのは、「ファッション」はアートなのかどうかということ。そして美術館に飾られるべきなのかというのが最大の論点だった。
 シャネルのカール・ラガーフェルドは、ファッションはあくまでも顧客のもので、自分たちは服を作る職人に過ぎないとのこと。ディオールのジョン・ガリアーノにしても、ジャン・ポール・ゴルチエにしても、服は美しいものではあるがアートがどうかはわからないと言っていた。
 しかし、アンドリュー・ボルトンはファッションはアートの一つと信じていると断言していた。ファッションは私たちの価値観、先入観、限界に挑戦してくれるものだと。

 まぁそういう難しい議論はさておき、映画としては日常を離れた世界をたっぷり楽しめる映像が満載だ。ただストーリー的には、登場人物の仕事の大変さと神経の使い様はわかるが、人間的な内面には迫ってはいなかった。だから心に響くものがあるわけではない。そのことを承知で、非日常的な世界の舞台裏を見たい人や、ファッションというものに、興味のある人は楽しめる作品だと思う。
 
 この映画を観ていて、なんで中国なんだろう!と思っていたところ、2017年5月にはメットでコム・デ・ギャルソン展が催されたようです。すごいですね、川久保玲さん。
 
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2017-05-03-cdg/related/2
 コム・デ・ギャルソン展

原題:THE FIRST MONDAY IN MAY  監督:アンドリュー・リコッシ
2016年 アメリカ


 

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ジャッキー/ファーストレディー最後の使命 [外国映画]

 1963年のあの伝説的な事件を、ジャクリーン・ケネディ元大統領夫人に焦点を当てて描いた作品です。何度となく繰り返され放映されたケネディ大統領暗殺のフィルム。そして犯人オズワルト逮捕後も、その当人が連行される途中に射殺されてしまったという、謎が謎を呼ぶ事件でした。真相は今もって藪の中です。

 その劇的な事件のヒロインであるジャクリーン・ケネディ元大統領夫人をナタリー・ポートマンが演じています。彼女の一人芝居という感じの作品で、演技が秀逸でした。
 ジャクリーン・ケネディは24歳でJ.F.ケネディと結婚し、31歳で夫と共にホワイトハウスに入り、34歳で未亡人となったのだそうです。その起伏の多い人生のなかでも、最も緊張感のある4日間を描いています。


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 ジャッキーの愛称で親しまれていたジャクリーン・ケネディ(ナタリー・ポートマン)は、夫ジョン・F・ケネディ大統領のテキサス州遊説に同行。1963 年 11 月 22 日、ダラスでのパレード中、隣りに座っていた夫が狙撃され、帰らぬ人となってしまう。


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 目の前で最愛の人を亡くした彼女には悲しむ間もなく、葬儀の準備、代わりに大統領となる副大統領の就任式への立ち会い、ホワイトハウスからの立ち退きなど、やらなければならないことが山のようにあった。この就任式で、ジャッキーは血だらけの服を着ているのだが、これは彼女の心を象徴的に表したもので、実際にこんなむごいことが行われたとは思えない。


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 さらに、事態を理解できない幼い子供たちにどう接したらいいか悩み、犯人に怒り、様々な感情が入り乱れるジャクリーン。とりわけ、事件直後から夫J.Fケネディーが過去の人として扱われることに憤り、夫が築いたものを単なる過去にはさせまいと決意する。そしてみんなが危険だからと止めるのも聞かず、子供たちの姿を民衆にみせ、自分は国葬の葬列に加わり教会まで棺とともに歩いていくと決心するのだった。


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 これほど毅然として誇り高い女性がいただろうか。普通の人なら気絶してもおかしくないような事態に、夫ジョン・F・ケネディを守るため最後まで戦ったのが、ジャクリーンだったのだと理解できた。それを巧みに表現したナタリー・ポートマンが本当にすばらしかったと思う。


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 ジャクリーンはのちに海運王オナシスと再婚するものの、オナシス亡き後は出版社に入社し、編集者として働きました。そして1994年に享年64歳で死去。”永遠の炎”が灯されたケネディのお墓の隣に埋葬されたのだそうです。映画になるほど数奇な運命を精一杯生きた女性だったのだなと感動しました。

 そして、ナタリー・ポートマンがとてもすばらしい女優さんに成長したのを目の当たりにして、嬉しく思いました。今後も大いに活躍してくれることが想像に難くないです。

原題:JACKIE 監督:パブロ・ラライン 制作:ダーレン・アロノフスキー 
出演:ナタリー・ポートマン、 ピーター・サースガード、 ビリー・クラダップ、 
ジョン・ハートetc.
2016年 アメリカ/チリ/フランス




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miniなできごと16 [日記・雑感]

 昨日、友達のHさんと大阪キタ新地にあるANAクラウンホテル内の「メゾンタテルヨシノ」のランチに行って来ました。この写真はランチコース5000円の一品「季節の野菜 モネの庭園をイメージして」という料理で、45種類の野菜を使っています。それを生のまま、茹でる、揚げるという調理法で出してくれます。すごく新鮮で珍しく美味しいお野菜ばかりでした。他のお料理もとてもおいしく、ぜひまた訪れたいお店になりました。ソムリエさんやギャルソンの人達も感じがよく、色々説明してくれたのが楽しかったです。


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メゾンタテルヨシノ大阪
https://www.anacrowneplaza-osaka.jp/restaurant/tateruyoshino/#

 ここは銀座と汐留にもあるんですって。汐留はカジュアルな店と言ってましたよ。

 このあと、二人で映画を観に行きました。タイトルは「おとなの事情」で、シネ・リーブル梅田で上映していました。パオロ・ジュノベーゼ監督作品で、イタリアでヒットした映画です。


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 夫婦3組と男性1人の7人が集う夕食の場。新婚のエヴァが、食事中にかかってきた電話やメッセージをみんなオープンにしようと提案する。詰め寄る女性陣に、男性陣は渋々承諾し、テーブルに7台のスマートフォンが並ぶ。メールが来たら全員の目の前で開く、かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すというルールで、究極のゲームが始まる……。
 かなりブラックな作品で、セリフ劇です。セリフ劇といえば、ウディ・アレンの映画が有名ですが、彼の作品はブラックな中にもわりあいユーモラスなところがあるのが多いのです。ところがこのイタリアのジュノベーゼ監督作品は、だんだんと深刻になっていくのが特徴。実は私、ランチでワインを飲んだせいで、途中眠ってしまいました!(-_-;) 目が覚めたときは、ほとんど全員喧嘩状態の悲惨な場面……。感想としては、スマホの中はホラーの世界[がく~(落胆した顔)] 夫婦や恋人との絆を大事にしたい人は、絶対にスマホを公開してはいけません。(笑) 


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miniなできごと15-海北友松展(京都国立博物館) [日記・雑感]

 京都の鴨川べりの桜です。柳や他の樹の緑の中に桜があるのが、風情をかんじさせます。

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  この日は京都国立博物館の「海北友松展」へ、友人と一緒に行きました。海北友松は最初は浅井家の家臣、海北家の武士だったのですが、父や兄を信長に滅ぼされ、狩野派の門をたたき絵の道へ進んだ人です。

 狩野派独特の豪華な金屏風に描かれた牡丹の絵などの、彩色されたすばらしいものもあります。

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 花卉図屏風(かきずびょうぶ)妙心寺



 武士の気迫がほとばしるような、水墨画の数々。特に神獣「龍」を描いた雲龍図が怖いくらいの迫力でせまってきます。まるで今にも龍が画面から飛び出してきて、暴れまわるのではと思うくらいの凄みです。

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 雲龍図 建仁寺



 最晩年の最高傑作とされる月下渓流図屏風がアメリカの美術館から60年ぶりの里帰りです。友松が最晩年にたどり着いた孤高の境地を表したものだそうです。所どころに色がついているのが、友松の水墨画の特徴です。情感豊かで静謐な画風の絵です。

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 月下渓流図屏風(げっかけいりゅうずびょうぶ) ネルソン・アトキンズ美術館(米国)


 他にも色々と魅力的な作品や、書状や文書類など70余件が展示されています。ぜひいらっしゃることをお勧めします。5月21日(日)までと期間があまり長くないので、お気を付けくださいませ。




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モン・ロワ(MON ROI) 愛を巡るそれぞれの理由 [外国映画]

 ヴァンサン・カッセルが好きなので、観に行きました。彼はアメリカ的なハンサムとは違う、フランス的な男前だと思います。ヴァンサンの役は、魅力的だけれど破天荒なレストランの経営者。そして主役の女弁護士トニーは、この作品の監督でもあるエマニュエル・ベルコ。二人の激しい恋の始まりと結婚、そして別れを描いた大人の恋愛映画です。


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 物語の冒頭は、スキー事故で大怪我をしたトニー(エマニュエル・ベルコ)がリハビリセンターでリハビリに励んでいるシーンから始まる。彼女は10年間一緒に暮らしたジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)との波乱に満ちた関係を振り返っていく。


 トニーは学生のとき憧れだったレストランの経営者ジョルジオとパリで再開し、きっかけをつかみ彼の気持ちを自分に向けることに成功する。ジョルジオからのアプローチも反応が早く、二人はたちまち激しい恋に陥っていく。


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 ジョルジオに案内されたクラブでトニーは、若く美しい女アニエス(クリステル・サン・ルイ・
オーギュスタン)から「私の彼を奪った」などと言われるが、「僕の子供を産んでほしい」というジョルジオの言葉に愛を感じて結婚する。


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 しかし結婚後、当のアニエスはトニーの妊娠を知って、自殺未遂を引き起こす。ジョルジオは彼女が精神不安定なため見捨てることはできないという。「彼女は妹のようなものだ」と彼は言うが、トニーの心は穏やかではなかった。そしてついにジョルジオとトニーは可愛い男の子を授かる。


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 しかし、赤ちゃんの名前を付けるとき、ジョルジオはアニエスに名付け親になってもらう。


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 トニーとジョルジオとアニエス

 子どもができてからも、ジョルジオがクスリを使っていたことがわかったり、新たな浮気の現場をトニーが見つけてしまったり……。その他色々なゴタゴタがあり、トニーは心底疲れて少しおかしくなってしまう。弟のソラル(ルイ・ガレル)が心配して、トニーにジョルジオと別れるように忠告する。ジョルジオはクスリを止めてセラピーに通い、まともになることを誓うがときすでに遅しで、トニーは自分の仕事である弁護士業で新しい大きな仕事を手にし、離婚に踏み切るのだった。

 こうしてトニーはこの不幸な結婚から立ち直るが、子供はジョルジオに引き取られ、二人は子供の成長の経緯を見守る役所の職員との話し合いの場で再会する。トニーがあれほど心配したのに子供は問題なく順調に育っていた。ジョルジオも今までの感じとは違って、まともな雰囲気の男性になっていた。セラピーが成功したのだろうか。だがジョルジオは会ってもトニーと目を合わそうともせず、挨拶もそこそこにその場を去るのだった。

 どんなに深く愛し合っていても、愛というものが終わったら、男女はこんなにも他人になるのだなということを、最後に見せつけられた感じがした。結局トニーとジョルジオはお互いを理解できなかったのか。恋愛というもののはかなさを表現した場面だった。それにしても、悲しい終わり方だなと思った。こんな容赦のない描き方ではなく、もう少し温かみのあるエンディングが、私は好きだ。

原題:MON ROI/ MY KING  監督:エマニュエル・ベルコ  出演:エマニュエル・ベルコ、
ヴァンサン・カッセル、 ルイ・ガレル、 イジルド・ル・ベスコ、 
クリステル・サン・ルイ・オーギュスタン
2015年 フランス




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拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎が出会った西洋美術 [アート・カルチャー]

 あべのハルカス美術館で「拝啓ルノワール先生」展を観てきました。ここはお気に入りの美術館です。アクセスがいいし、天井が高いのが好きです。

 本展は、オーギュスト・ルノワールと梅原龍三郎の作品だけでなく、梅原画伯が蒐集した作品、彼と親交のあったピカソやルオーらの作品約80点により、近代絵画における東西の交流を紹介しています。とても見ごたえのある面白い企画の展覧会でした。


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 梅原画伯「バラ、ミモザ」


 絵からもわかるように、梅原龍三郎はその豪快な性格から“画壇のライオン”と呼ばれていたそうです。パリでは、安井曾太郎、津田青楓に迎えられ、当初は彼らと交わるがすぐ、高村光太郎や山下新太郎らとも知り合い交流しました。


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 梅原画伯「読書」


 梅原龍三郎はサロン・ドートンヌなどで物議をかもしていたジョルジュ・ルオーに注目。作品を購入します。そしてついにピエール=オーギュスト・ルノワールに出会った梅原画伯は、ルノワールを師と仰ぎ、師との対話や制作現場から多くを学び、ルノワールの家族たちとも親密な関係を築いていきました。会場には彼あてのルノワールの自筆の手紙なども展示されていました。ルノワールの直筆がみれるとは思っていなかったので、とても感激しました。


 ルノワールの「パリスの審判」とそれを模写した梅原画伯の「パリスの審判」です。二人の個性の違いがはっきりと見てとれますね。どちらもすばらしい作品だと思います。

 ルノワールの「パリスの審判」
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 梅原龍三郎の「パリスの審判」
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 西洋絵画の模倣ではない、独自の油彩画として確立した梅原画伯の画業がよくわかりました。さらに、優れた鑑識眼を持つ「蒐集家」梅原龍三郎が愛蔵したルノワール、ピカソ、ルオーらの作品がまとめて展示されているのもこの展覧会の興味深いところでした。以下はその一部です。

【ルノワールの作品集】
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 麦藁帽子の若い娘

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 バラ

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 バラ色のブラウスを着けた女
 
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 勝利のヴィーナス(ブロンズ像)


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 ヴェールを持つ踊り子(ブロンズ像)

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 横たわる浴女

 【ジョルジュ・ルオー】
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 エバイ(びっくりした男)

 【ポール・セザンヌ】
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 リンゴとテーブルクロス

 梅原龍三郎の絵はあまり好きではなかったのですが、この展覧会を見てすばらしい画家だなと思いました。またどこかで梅原画伯の展覧会があったら、観に行きたいです。



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miniなできごと14 [日記・雑感]

 近所のカフェで雑誌「PEN」を手にとって眺めていたら、「コーヒーと暮らす家」という特集だった。多種多様なコーヒーをいれる道具の数々。きちんと片付いたスタイリッシュな家がたくさん載っていた。そこに暮らす男性は、コーヒーの焙煎家や雑誌編集者、建築家など。皆さんコーヒーの淹れ方にも色々こだわりがあるようだ。この「こだわり」こそが男性的な感覚かもしれない。
 眺めているだけでカッコイイのだが、私としてはちょっと近寄りがたいなぁというのが本音。こういうタイプの人とつきあったら、いつも何かを注意されているかもしれない。なにせ私は「突っ込みどころ満載な人」なのだから。

 ちなみに最近一番おいしと思ったコーヒーはベトナムで買ってきたジャコウネコのコーヒーである。コピ・ルアクとかいうらしいのだが、日本では50gで12000円くらいするみたい。ベトナムのはもっとずっと安価だった。何とも言えない独特のアロマがあり、私はそれが気に入った。けれど日本では買えないわ。

 どこのコーヒーがおいしいかということになると、私は京都の「イノダコーヒ」が好き。本店がすごく雰囲気がいいのだ。サンドイッチ、スパゲティ、洋食やケーキもおいしい。

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イノダの朝食、ボリュームがあります。
イノダコーヒ: http://www.inoda-coffee.co.jp/shop/honten.html


 大阪では梅田阪急三番街の「カフェ・バーンホーフ(CAFE BANHOF)」がいい。すごくたくさんの種類のコーヒーがあり、一杯ずつドリップで入れてくれる。コーヒーの種類によって、カップも変わるのだ。ケーキもあります。

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カフェバーンホーフ: https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27011966

 もう少し色々なコーヒー店を探してみるのもいいかもしれませんね。そのうちに調べてみます。






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ラ・ラ・ランド [外国映画]

 とてもきれいな映画でした。お洒落でストーリーは恋愛の王道といった感じのミュージカルです。これを演技に定評のあるエマ・ストーンとライアン・ゴズリングが演じています。二人とも歌って踊れるという所が新発見でした。しかも演技の部分は二人の演技力がいきてました。なかなか面白い映画でもう一度見てもいいなと思いました。


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アメリカ・ロサンゼルス。女優を目指すミア(エマ・ストーン)は映画スタジオのカフェで働きながらオーディションを受け続けているが、落ちてばかりだった。ある日、ふと立ち寄った場末のバーで、ピアノを弾いているセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出会う。彼の夢は、自分の店を持って思う存分本格的なジャズを演奏することだった。恋に落ち、互いに応援しあう二人だったが……。


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↑の写真は冒頭のハイウェイでのダンスシーン。すごくエネルギッシュですばらしかった。色々なダンサーがいて、しかもダンスが揃っていて寸分の狂いもないって感じだった。どれほど練習したんだろう。


 エマとライアンが二人で踊るシーン。演技派の二人がダンスも上手いなんて素敵だ。新しい一面をのぞかせてくれたと思う。


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 二人は急速に仲良くなり、生活を共にする。ミアはそれでもオーディションを落ちてばかりで、だんだん自信を失っていく。それにひきかえセバスチャンは、将来自分の店を持ちたいという夢を実現するため、あるバンドに所属しツアーにでかける。そのバンドが売れたので、ツアーに行きっぱなし状態になり、エマはフラストレーションが溜まり二人は大喧嘩する。このシーンは、二人が初めは仲良くしているのに、だんだんと本音が出てきて喧嘩になる。ここではエマとライアンの演技力が十分に発揮されておもしろいシーンになったと思う。

 作品内で演奏されるジャズもとてもよかったと思う。そしてセバスチャンが参加するバンドのリーダー、キースをジョン・レジェンドが演じている。彼はR&Bの第一人者だが、バンドの演奏する音楽がすごくキレがよくて最高だった!

 最後は少しビターテイストで、哀愁のある終わり方だが、お互い愛しあえてよかったという二人の表情が、物語をいいものにしていた。

 エマ・ストーンは大好きな女優さんで、今回もとてもよかった。ライアン・ゴズリングは今までミニシアター系のあまり目立たたない作品に多く出ていたと記憶しているが、今回の役はなかなか魅力的だった。これからもこの二人の活躍を祈っている。


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原題:LA LA LAND  監督:ディミアン・チャゼル  出演:エマ・ストーン、
ライアン・ゴズリング、 ジョン・レジェンド、 ローズマリー・デウィットetc.
2016年 アメリカ



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miniな出来事13 [日記・雑感]

 アマリリスの写真を追加しました、八重のアマリリスです。きれいでしょう?

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 いつもアマリリスを咲かせている友達が、きれいなお写真を送ってきてくれたので、私もぜひ育ててみようという気になって、Amazonで買いました。が、箱に簡単にしか育て方が書いていなかったんです。そしたらその友達が、詳しい説明書を送ってくれたんで無事に咲かせることができました。

 ポットアマリリスといって、初めからプラスティックの植木鉢に球根が埋め込んであるのを送ってきます。最初は水を50㏄だけ与えて、茎が伸びてくるのを待ち、それから2週間ごとに100㏄の水を与えればいいんですよ。たっぷりの日光が必要ですけどね。右のほうにもう1本茎が伸びてきているので、またお花を咲かせてくれることでしょう。

 こうしてお花を育てるのもいいものだなあって思って楽しんでいます。皆さんもいかがですか。


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