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空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎 [外国映画]

 この映画の原題は、「妖猫傳」(LEGEND OF THE DEMON CAT)です。空海と白楽天と楊貴妃の物語ですが、そこに黒い猫が絡んできます。CGで作った猫なんですが、怖いんですよ。魔の猫なんです。なぜ猫が魔物になってしまったのか、それも楊貴妃の死の謎と大いに関係があるのです。


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 7世紀の唐の都・長安。そこは活気にあふれ、人々は生き生きと生活していた。そこに、遣唐使として日本から苦難の船旅を経てやってきた、若き日の空海(染谷将太)がいた。彼は密教の教えを全て会得しようとしていた。そんなおり、彼は白楽天(ホアン・シュアン)と出会う。そして彼らは時の権力者が次々と何者かに殺されるという事件に遭遇し、そのなぞ解きに乗り出すのだった。


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  白楽天(ホアン・シュアン)と空海(染谷将太)


 二人が調べを進めると、黒い妖猫に出会う。そしてその猫は、かつて玄宗皇帝(チャン・ルーイー)の寵愛を一身に受けた絶世の美女・楊貴妃(チャン・ロンロン)と関係があることがわかってくる。
 

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 楊貴妃(チャン・ロンロン) 美しいですね。


 昔、玄宗皇帝は楊貴妃のために、豪華絢爛な宴を催した。そこには色々な要人が招待され、その中に楊貴妃を恋い慕う阿倍仲麻呂(阿部寛)の姿があった。そして幾多の芸人が様々な踊りや芸や妖術を披露するのだった。
 

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 阿倍仲麻呂(阿部寛) 映画の中では、阿倍仲麻呂が楊貴妃に恋をしたため、日本に帰れなくなったということになっています。
 

 妖術によって、その宴の幻影を観た空海と白楽天は、その屋敷跡を訪ねるが、そこは廃墟と化していた。


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 さて、楊貴妃はなぜ死んだのか。そして、その死の真相はいかに……。

 とにかく唐の都長安のセットがすごかったです。セットからセットへは車でないと移動できないほどだったそう。それから、中国人俳優さん達の踊りや曲芸は目を見張るほどでした。

 でも、演技はやはり日本人俳優がすばらしかったように思います。白楽天は大詩人なのだから、いくら若くても詩人らしい陰があったらなと思いました。特に染谷将太の空海がよかったです。この人は若いけれども今までに色々な賞を取っているのですね。私はあまり若者の映画を観ないので、今まで知りませんでした。これからは日本映画の若い俳優さんにも注目していきたいです。

 それから、阿部寛、火野正平、松坂慶子もベテランらしく、いい味を出していました。

 ファンタジーとしては大成功でしょうね。なかなか面白い映画でした。VFXもすばらしかったです。スクリーンで観るのが楽しいと思います。


原題:妖猫傳(LEGEND OF THE DEMON CAT) 監督:チェン・カイコー「さらば、わが愛/覇王別姫」  原作:夢枕獏「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」
VFXスーパーバイザー:石井教雄

出演:染谷将太、 ホアン・シュアン、 チャン・ロンロン、 日野正平、 松坂慶子、 阿部寛
チャン・ルーイーetc.
2018年 日本/中国



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東京旅行2 ビュールレ・コレクション(国立新美術館) [アート・カルチャー]

 次の日は国立新美術館の「ビュールレ・コレクション」を観に行ってきました。今回は地下鉄千代田線乃木坂駅から行ってみたら、すぐでした! 

 スイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)は、主に17世紀オランダ絵画から20世紀の近代絵画に至る作品を集めました。中でも印象派・ポスト印象派の作品は傑作が揃い、そのコレクションの質の高さゆえ世界中の美術ファンから注目されています。彼は武器商人として財を成し、それを絵画のコレクションに注ぎ込みました。(チラシ&サイトより)


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 コレクションはチューリヒ湖そばにある瀟酒なビュールレの自邸に飾られていました。彼の死後遺族が、長年暮らしたチューリヒに財団を設立し、作品を自邸の隣の邸宅に移し、1960年から個人美術館としてオープンさせました。ところが、盗難事件があり、今度新館が建てられるチューリヒ美術館に移管されることになったということです。それが完成するまでのあいだ、このコレクションは各国に貸し出される予定とのことです。この展覧会がすごいのは、コレクションの約半数は日本初公開の作品だからです。


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 ルノワール 「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」
 絵画史上最も有名な少女像ともいわれる作品です。いつまでも観ていたい、という人が多いので、すごい人だかりでした。


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 セザンヌ 「赤いチョッキの少年」
 セザンヌの肖像画の中で一番有名な絵だそうです。


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 モネ 「睡蓮の池、緑の反映」
 モネの大回顧展がチューリヒで開催されたときに、ビュールレがモネの遺族から購入したのだそうです。スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作。撮影OKでしたので、自分でも撮ってみました。

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 アングル 「アングル夫人の肖像」(日本初)
 アングルの奥様、なんてきれいな人なんでしょう。見惚れますね。


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 ルノワール 「アルフレッド・シスレーの肖像」(日本初)
 ルノワールによるシスレーの肖像というだけですごいと思いました。


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 アントーニオ・カナール(カナレット)「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」(ヴェネツィア)
 明るく輝く水と細かい描写が美しいです。


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 モネ 「陽を浴びるウオータールー橋」(ロンドン)(日本初)
 モネはターナーの作品に感銘を受けたそうです。光にあふれていますが、霧がかっているところがロンドンですね。


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 ドラクロワ 「モロッコのスルタン」(日本初)
 1832年 ドラクロワはフランスの使節団によるモロッコ訪問に随行し、同国のスルタンに謁見したそうです。異国情緒漂う絵です。いい絵ですね。


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 ピサロ 「ル-ヴシエンヌの雪道」(日本初)
 普仏戦争前の平和な日常風景。こういう景色は実際にはもう見られないでしょうね。


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 シスレー 「ハンプトン・コートのレガッタ」(日本初)
 夏場のボート遊び。いかにもイギリスという風景。


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 モネ 「ジヴェルニーのモネの庭」
 モネは、なくなるまでの43年間ジヴェルニーに住み続けました。


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 マネ 「ベルヴェの庭の隅」(日本初)
 モネとマネの絵はかなりタッチがちうがうのが、2枚を比べてみてよくわかりました。


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 ドガ 「リュドヴィック・ルピック伯爵とその娘たち」


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 ルノワール 「泉」 (日本初)
 65歳のルノワールの作品で、リウマチで苦しんでいたとは思えないみずみずしさですね。


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 セザンヌ 「自画像」 (日本初)


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 セザンヌ 「庭師ヴァリエ(老庭師)」 (日本初)
 ヴァリエは最後のモデルで、この絵は未完だそうです。


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 ゴッホ 「花咲くマロニエの枝」
 なんてきれいな色なんでしょう。それに背景のブルーが細かく絵がかれ、白い花が印象的に見えます。


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 ゴッホ 「日没に種まく人」
 構図といい、すばらしいの一言です。


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 ゴーギャン 「贈りもの」 (日本初)
 

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 ロートレック 「コンフェッティ」 (日本初)
 コンフェッティはカーニバルの時に使用される紙吹雪のことだそうです。


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 ブラック 「ヴァイオリニスト」
 なるほど、ブラックの目を通すと、ヴァイオリニストはこんな風にみえるのですね。


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 ピカソ 「花とレモンのある静物」 (日本初)
 いい絵ですね。レモンの黄色が鮮やかで、絵を引き立てていると思います。


 この後美術館のB1にある「カフェテリア カレ」でお食事しました。

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 この日はかなりの寒さだったせいか、人が少なかったので、お料理も大盛りで出てきたので、びっくりしました。(*_*; これはドラクロアが最も大きな影響をうけた「モロッコ」の名物料理だそうです。クスクスと牛肉の煮込みがよく合って、とっても美味でした。@1200円です。




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シェイプ・オブ・ウォーター [外国映画]

 久々の映画は「シェイプ・オブ・ウォーター」、ギレルモ・デル・トロ監督です。第90回アカデミー賞監督賞と作品賞のダブル受賞はすごいですね。快挙です!これに先立ち、ベネチア国際映画祭でも金獅子賞を受賞しています。


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 政府の極秘研究所で掃除婦をしているイライザ(サリー・ホーキンス)は、ある日掃除をしているときに、水槽に居たアマゾンの奥地から運ばれた“クリーチャー”(半魚人)に出会う。言葉を話せないイライザは、一目で気に入ったクリーチャーに食料を運んだり、音楽をきかせたりしているうちに心が通じ合う。しかし、冷酷な軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)は容赦なく“彼”を虐待し、果ては生体解剖を提案する。一方で、背後では熾烈な宇宙開発競争でアメリカと争うソ連がのスパイが動く。イライザは無謀にも“彼”を救出すると心に決めるのだが……。


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 イライザ(サリー・ホーキンス)とゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)

 口のきけないイライザは、お隣のゲイで売れない画家ジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)と親しくしている。一方黒人の同僚ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)もイライザの通訳係のような存在で、いつも上司にイライザの手話を翻訳して伝えるのだ。この3人の演技の上手さは小気味よいぐらいだった。オクタヴィア・スペンサーは「ドリーム」にも出演してましたね。


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 さて、イライザはなぜ、プールのふちにゆで卵をたくさん並べているのでしょうか。それはグロテスクともいえるクリーチャーを気に入ってしまったから、彼に食べ物をあげているのだ。というのもクリーチャーはかなり知性があり、彼女の言いたいことや「卵」という言葉も理解する。彼女は話せない人間なので、クリーチャーと心と心で通じ合ったのである。


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 デル・トロは小さいころ「大アマゾンの半魚人」(54)をみて、映画はもとより、奇怪でユーモラスなギルマン(半魚人)の形姿をとても気に入ったそうだ。それがこの映画に生かされたのだろろうと評論家は分析している。

 この作品の原題は「水の形態」(THE SHAPE OF WATER)で、この映画のすばらしい魅力もいくつかの水中撮影シーンだと思う。クリーチャーを助け出し、自宅の浴槽にかくまうイライザは、ますます"彼"に心惹かれていく。そして浴槽のある部屋全体を、ドアの下の隙間にタオルをギューギュー詰めにして水で満たし、彼(クリーチャー)とに抱き合うシーンは幻想的でとても美しい。


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   ストリックランドとイライザとゼルダ 


 だが、残忍きわまりない狂気に満ちた軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)がとうとうイライザの家を突き止め、捜しに来る。この男はこの時代の典型的は中産階級で、家には美人の奥さんとかわいい子供たちがいる。それにキャデラックに乗っている。(彼がキャデラックを買いに行く場面は、すばらしいレトロなキャデラックがたくさん観られる)それなのに、自分の出世のためには人間や生き物を痛めつけても何とも思わない男なのだ。まるでナチの将校のようである。

 ストリックランドはイライザとジャイルズがクリーチャーを海に逃がしにいったことに感づいて後を追い、あげくの果てに海までやってくる。愛し合うイライザとクリーチャーの運命は……。


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 サリー・ホーキンス(42歳)の演技の上手さとヌードの美しさに驚いた。かなりの年をとっても、役柄によりこうして自分の裸体をさらすのが女優なんだなと思った。スタイルを維持するのは、並大抵の努力ではできないことだ。彼女にアカデミー賞主演女優賞をあげたかった。

 デル・トロの描くファンタジーはいつも残酷さがつきものだ。(「パンズラビリンス」しかり)この「悪」の存在ゆえに、良きもの美しい心がとても際立って、観客の心を虜にするのではないかと思った。やはり観る価値のある作品ではないだろうか。

原題:THE SHAPE OF WATER 監督:ギレルモ・デル・トロ 出演:サリー・ホーキンス
マイケル・シャノン、 リチャード・ジェンキンス、 オクタヴィア・スペンサー、
ダグ・ジョーンズ(クリーチャー)
2017年 アメリカ






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東京旅行1(2018.3月) [日記・雑感]

 2月17日夜中頃から熱が出てきて、朝には38.8℃まであがったので、休日救急診療所へ行きました。インフルエンザと診断されて、タミフルと解熱剤で1日で熱は下がりました。私は子供のころかかったきりだったので、自分はかからないと思い込んでたんです。甘かったです。5日間外出禁止で、ずっと家に居いました。が、やることはたくさんあるので、それを片付けたり平昌オリンピックをみたりして、まったく退屈しませんでした。[わーい(嬉しい顔)]

 やっと元気になったので、ちょっと東京へ……。[電車][ぴかぴか(新しい)]
 まずは東京国立博物館の「仁和寺と御室派のみほとけ展」へ行きました。もうすぐ展覧会が終わるからかすごい行列で3、40分も待ちました。でも仏像がすばらしいものばかりで、待った甲斐がありました。


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 ポスターにもなっていますが、大阪藤井寺の千手観音の精緻なつくりとバランスのよさにはびっくりしました。実際に数えると千本以上の手があるのだそうです。


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 最初の2枚の金色に輝くのが十一面観音菩薩/右の綿のようなものを首にかけているのが雷神
 (写真があまり良く写ってなくてすみません。[あせあせ(飛び散る汗)]

 仁和寺の本堂を再現し本物の仏像を並べた展示には息を飲みました。真ん中の十一面観音菩薩の美しさ、まわりを囲む仏像群の迫力に圧倒されました。その他の展示にもたくさんの国宝級のいい仏像がありました。さすが東博ですね!これだけの逸品を集めるとは、力があるのだなと感心します。

 この後銀座に出ました。東京ブックマークのツアーに、プレミアムチケットが付いていて、「GINZA SIX」のパイのお店で好きなパイとドリンクが無料でいただけました。なかなかおいしかったです。


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 草間彌生さんの作品が2階の吹き抜けに飾ってあったので観に行ってみました。写真のように提灯のような形のモビールかな?面白くて変わった作品です。草間さんらしいですね。時間がなくて「GINZA SIX」をほとんどみられなかったんですが、かなり高級指向みたいですね。次回はゆっくり見たいです。

 夜は玉三郎と仁左衛門の3月大歌舞伎公演。最初は「お染久松」でした。土手のお六と鬼門の喜兵衛の悪役同士で、上手いのですが、セットが貧乏長屋で美しくなかったのが残念でした。


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 「神田祭」はきれいな踊りでした。玉三郎は粋な芸者姿、仁左衛門はスッキリとした鳶頭、でも仁左衛門がかなり痩せていたので、どこか悪いのではと心配になりました。

 最後は泉鏡花の「滝の白糸」で、玉三郎演出、壱太郎が主演です。玉三郎は5回演じたそうです。
 水芸一座の太夫、滝の白糸(壱太郎)が貧乏だけれど優秀な法律家志望の欣也(松也)という男に、ある出来事があって惚れ込んで仕送りのためのお金を借金する。しかしそれが、だんだん白糸を窮地に追い込んで行くという悲劇です。水芸もほんとうにやってみせるので、それは面白かったんですが、ちょっと長くて途中退屈しました。最後は悲しいのですがなかなかよい幕切れでした。ストーリーが少し古すぎるような気はしましたけれど。
 これで公演は終わり、ホテルへ戻って東京の友人に電話しました。一日目終了です。次の日は美術館二カ所巡りです。





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