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miniなできごと19 東京見物2 美術館巡り [日記・雑感]

 東京二日目は、南青山の根津美術館からです。


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 以前から行きたいと思っていたところで、ようやく行けて嬉しかったです。南青山のお洒落なエリアにすがすがしい建物があり、いい美術館だなと思いました。企画展は「はじめての古美術鑑賞ー紙の装飾ー」でした。内容は「雲母に光を!」「『染め』のバリエーション」「金銀の多彩な飾り」「さまざまな装飾技法」。これだけでは何のことかお判りにならないと思いますが、これは「読めない」という理由から敬遠されがちな書の作品にアプローチする一つの方法として、書を書くための紙、すなわち料紙(りょうし)の装飾に注目した展覧会です。
 華麗な色や金銀あるいは雲母(うんも)によるさまざまな装飾技法を、美術館コレクションの作品を中心にやさしく解説するとともに、絵画に取り込まれた例も鑑賞しました。
 このあと常設展示もみました。金剛仏などの仏像、古代中国の青銅器、焼き締め陶、茶道具など。落ち着いてゆっくりと観られてよかったです。それから1階に降りてお庭も散策。この石仏が気に入りました。


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 お昼近くになったので、ヨックモックのカフェに行き、軽いランチです。ランチメニューはありませんでした。

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 エッグベネディクト
 
 私はエッグベネディクトとケーキ。これは周りがホワイトチョコでコーティングされていて、すごくおいしかったです。Hさんはクロックムッシュと同じケーキを注文。これにコーヒーで、1人3000円ほど。さすがに南青山、ちょっと高かったですね。

 それから丸の内の戻って「三菱一号館美術館」へ。「レオナルド・ミケランジェロ」展の初日でした。それでも午後2時ごろだったし、雨もポツリポツリだったからか、それほど並ばなくても入れました。Hさんのご主人が招待券をくださったので、ラッキーでした。

 これはすばらしい企画の展覧会でした。15世紀イタリアで画家として才能を発揮し、建築、科学、解剖学の分野にまで関心を広げ「万能人」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチ。10代から頭角を現し「神のごとき」と称された世紀の天才彫刻家ミケランジェロ・ブオナローティ。本展は、芸術家の力量を示す上で最も重要とされ、全ての創造の源である素描(ディゼーニョ)に秀でた2人を対比する日本初の展覧会です。素描のほかに油彩画、手稿、書簡など、トリノ王立図書館やカーサ・ブオナローティ所蔵品を中心におよそ65点が一堂に会します。「最も美しい」素描とされる、レオナルド作《少女の頭部/〈岩窟の聖母〉の天使のための習作》と、ミケランジェロ作《〈レダと白鳥〉の頭部のための習作》を間近で見比べる貴重な機会となります。

 色々な作品を観られて楽しかったです。当時、モデルは美しい容姿の若い男の人を使うことが多かったそうです。ミケランジェロはほとんど男性モデルを使っていたそうですが、レオナルドは女性を描いていたとのこと。以下の作品で比較するとよくわかると思います。

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 左がレオナルド・ダ・ヴィンチの「少女の頭部/〈岩窟の聖母〉のための習作」で、右がミケランジェロ・プオナローティの「〈レダと白鳥〉の頭部のための習作」です。レオナルドの少女の顔は目なども女性らしいのに比べ、ミケランジェロの作品はきれいな顔のモデルですが、鼻がちょっとごつい感じで男性モデルとわかりますよね。

 この他、下の左側のレオナルド・ダ・ヴィンチに基づく「レダと白鳥」ーこれはレオナルドの追随者がオリジナルを観てレオナルド亡き後に制作したもの、一方右側のミケランジェロに基づく「レダと白鳥」はオリジナルはフランスへ渡ったのち17世紀半ばに焼却されたそうです。その後オリジナルの下絵に基づき、後代の画家フランチェスコ・ブリーナによって描かれたものです。これも全く異なった絵で面白いと思いました。

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 ダ・ヴィンチの方の白鳥は男性性を表しているそうで、ちょっと荒々しい感じです。一方ミケランジェロのほうは、うつむいた女性の優雅な横顔が優しい感じで、白鳥もおとなしいですね。

 たぐいまれなる天才二人が同時代に生きて、お互いをライバル視しながら後世に残る最高の作品を創りあげたことが、凄いと思います。ちなみに私はレオナルド・ダ・ヴィンチのファンですが、ミケランジェロもまたすばらしいと感じました。
 9月24日まで使える彫刻鑑賞券(1階展示室のみ入場可)を帰り際にいただいたので、できたらもう一度行ってみたいと思っています。

 さてここでHさんはあくる日の仕事のため帰阪。私はまだ時間があったので出光美術館の「水墨の風」展に行きました。長谷川等伯と雪舟の優品を中心に中国絵画の名品の展示です。

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 水墨画はもちろん好きなんですが、これは本当にすばらしい展覧会でした。

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   猿曳・酔舞図屏風  狩野尚伸/ 山市晴嵐図  玉潤 

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   牧谿『叭々鳥図』 中国 南宋時代

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   竹鶴図屏風(左隻) 長谷川等伯

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   松に鴉 柳に白鷺図屏風  長谷川等伯/ 破墨山水図  画:雪舟 賛:影余周麟

 出光美術館もこじんまりして、いい美術館ですね。休憩室から皇居が見渡せて、東京の方々と皇室の距離感の近さを感じました。またそのうち東京へ行きます。




miniなできごと18 東京見物1 [日記・雑感]

 6月半ば過ぎ、友人のHさんと東京へ行って来ました。1日目は歌舞伎座で歌舞伎鑑賞です。


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 最初の「名月八幡祭り(めいげつはちまんまつり」は、若い田舎者の純朴な呉服商(松緑)が、手練れの芸者(笑也)とならず者(猿之助)に騙されて、田舎の田畑を売り払うが、二人にだまされたことがわかり、怒り狂う鬼となって復讐するというお話。松緑のこんな役は初めてだったが、純情な男が鬼と化す様子がなかなかの見どころだった。猿之助と笑也のワルの恋人同士もよかった。
 次は「浮世風呂」という踊り。銭湯が舞台で、桶を積み上げたお風呂場で、三助(猿之助)となめくじ(種之助)の踊りという一風変わったもの。二人の踊りの技量はすばらしかったが、なめくじというのがちょっと……。イメージが悪いです。
 最後は「御所桜堀川夜討(弁慶上使)」豪快とうたわれた武蔵坊弁慶(吉右衛門)が、生涯にたった一度だけ恋をして、大泣きしたという伝説的なお話。その恋をしたときに相手の女性おわさが娘しのぶを儲けていたのを弁慶は知らなかった。そして義経の正室卿の君(きょうのきみ)がかくまわれている侍従太郎の館の出向く。弁慶は頼朝から卿の君の首をはねるよう命を受けていた。しかし、腰元しのぶを身代わりにすることになり、そのしのぶこそ自分の本当の娘と知っても、弁慶はしのぶの首をはねるのだった。そして弁慶の大泣きという珍しい演出があった。
 1階の後ろの方の席だったのだが、学生さんたちがたくさんいて、歌舞伎の感想を聞いてみた。最初の二つは理解できたし面白かったが、最後の「弁慶上使」のお芝居は、なぜ自分の娘の首をさしださなければならないのか、全くわからないと言っていた。現代の若者に理解できないのも無理はない。彼らは大学の援助でとても安く観られるので、初めて歌舞伎座に来たのだそうだ。また来たいと言っていた。

 このあと、Hさんのご主人が東京に単身赴任中なので、一緒に晩御飯を食べましょうということになりました。よくTVのグルメ番組でも見かける有名な洋食屋さんに連れて行っていただきました。ビール、前菜、コールスローサラダ、大エビフライ、ポークチャップ、子牛のカツレツetc.などをいただきました。どれも美味しかったです。特にお皿からはみだしているエビフライの大きさにびっくりで、大満足でした。私はエビフライが大好きです!ご馳走さまでした。

 それから明治屋で、ワインに合うものをお買物して、Hご夫妻のマンションにお邪魔し、カリフォルニア赤ワインをいただきました。とても美味しいワインでした。ここからは、東京タワーとスカイツリーが両方見えました。まだ暑くもなく夜は涼しく過ごしやすい日でした。明日は美術館巡りです。




メッセージ [外国映画]

 SF映画なのだが、とても印象的な作品で、観終わった後心に残る映画だと思う。エイミー・アダムスがルイーズという言語学者として宇宙人とのやりとりに奔走する。


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 言語学者のルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は湖畔の家に独りで住み、今はいない娘ハンナとの何気ない日常を時おり思い出す。ある日、地球各地に大きな宇宙船のような物体が出現する。


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 ルイーズは、宇宙船から発せられる音や波動から彼らの言語を解明し、何らかの手段でこちらのメッセージを彼らに伝えるよう、国家から協力を要請される。スタッフのなかには、物理学の見地から取り組むよう招集されたイアン(ジェレミー・レナー)もいた。ウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)に急かされながら、スタッフは少しずつ相手との距離を縮めていく。ルイーズは忙しくなるほど、ハンナの思い出が色濃く蘇る。


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 しびれを切らした中国は核攻撃をしようとしていた。ルイーズは自分を指して「人類」というところからコミュニケートの端緒を掴む。彼らにはタコの足に似たものがあったため、彼らをヘプタポッドと呼ぶようにした。彼らはその先端から図形を吐き出す。刻々と変化する図形の規則性を見出すと、それらをコンピュータに打ち込んで会話ができるようになる。ルイーズとイアンはそれらの2体の宇宙人を、アボットとコステロと名付ける。


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 政府や軍はヘプタポッドが地球を攻めようとしているのではと相変わらず疑っていたが、そんなとき、ヘプタポッドの時間の概念は自分たちと大きく違っていることに気付く。彼らはアインシュタインの相対性理論の進化形の如く、驚くべき真実をルイーズたちに伝える。それは、3000年後の地球も現在と同じ座標軸にあるというものだった。


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 ルイーズは彼らの言語を研究し理解するにつれ、自分の人生における経年も今までの時間軸の概念を超越したものになることを知る。ルイーズは彼らからの影響に混乱するが、過去が未来にやってくることが分かっても、愛することをやめないと確信する。ついに最終決断を下した中国の行動を止めるため、ルイーズはイアンを使って思い切った賭けに出る。彼女の行動は、地球を、そして彼女自身を救うことができるのか?

 ストーリーがわかっても、理解できないところが多いと思うが、これは他生物への愛、親子の愛、そして夫婦の愛の物語である。前半はエイリアンが何者かわからないので、観客も不安感に包まれる。そして軍隊の出動の中、緊急事態の慌ただしく少し怖い感じが迫ってくる。しかし後半はアッという展開になり、面白い場面が次々に表れ感動に包まれる。異色のSFだが、とても質のいい作品だと思った。

原題:ARRIVAL  監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ  出演:エイミー・アダムス、
ジェレミー・レナー、 フォレスト・ウィテカー、 、マイケル・スタールバーグ
2016年 アメリカ

miniなできごと17「スラヴ叙事詩」 [日記・雑感]

 4月末に国立新美術館の「ミュシャ展」へ行って来ました。全く何のインフォメーションもなしに行ってきたんですが、すばらしい展覧会でした。とにかく絵の大きさにびっくりしました。(*_*;
6m×8mとか、4m×5mなどというサイズの巨大な油絵が20枚もあったんですよ。こんなにすごい美術展はそうそう見たことがないと感動しました。


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 原故郷のスラブ民族


 1911年、ムハ(ミュシャ)はプラハ近郊のズビロフ城にアトリエを借り、晩年の約16年間を捧げた壮大なプロジェクト《スラヴ叙事詩》に取り組みます。故郷を愛し、人道主義者でもあった彼は、自由と独立を求める闘いを続ける中で、スラヴ諸国の国民をひとつにするため、チェコとスラヴ民族の歴史から主題を得た壮大な絵画の連作を創作したのです。


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 クロムニェジシーシュのヤン・三リーチ


 当初、《スラヴ叙事詩》は、本作を美術館に常設展示することを条件にプラハ市に寄贈することになっていました。 チェコスロヴァキア独立10周年にあたる1928年には、19点がプラハのヴェレトゥルジュニー宮殿で公開されました。


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 ベツレヘム礼拝堂で説教をするヤン・フス師


 未来の世代のためにという画家の願いも空しく、若い世代からは、保守的な伝統主義の産物だとのレッテルを貼られてしまいます。さらに、経済危機や複雑な政治状況が追い打ちをかけ、予定されていた《スラヴ叙事詩》展示のための美術館も建設されることはありませんでした。画家の没後、第二次世界大戦が終結すると、この連作は、画家の生まれ故郷近くのモラフスキー・クルムロフ城に寄託されます。ようやく作品が現在展示されているプラハのヴェレトゥルジュニー宮殿に戻されたのは、2012年のことでした。


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 聖アトス山


ということで、絵が認められ公開されるまでにも、色々なエピソードがあったんだと思い、感慨深かったです。この巨大な絵画を一枚描くだけでも、ものすごいエネルギーと忍耐が必要だったことでしょう。それが20枚もあったので、圧巻でした。ミュシャのスラヴ民族に対する深い愛と情熱をかんじ、胸が熱くなりました。

 次の写真は私がケータイで撮ったものです。
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 この日は、他にも美術館を2館まわって帰途につきました。本当に観に行ってよかったです。また東京へ行きます。Love Tokyo♡



 

カフェ・ソサエティ [ウディ・アレン]

 映画の始まりは、おなじみのジャズ!これでいっきにウディ・アレンの世界へと引き込まれます、ちょっとした期待とワクワクする気持ちを感じながら……。今回はジェシー・アイゼンバーグ演じる田舎者の朴訥な青年が、叔父さんの力でハリウッドで職を得、きれいな女性と知り合って恋を知り、それから仕事でも自分の居場所を獲得していくというロマンチックコメディ。


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 1930年代のアメリカ。この時代のハリウッドは、永遠に語り継がれる映画史上の名作がいくつも生み出された。ニューヨーク郊外に住む平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ)は、もっと刺激的で、胸のときめく人生を送りたいとおじを頼ってハリウッドを訪れる。活気のあるハリウッドでボビーは、業界の敏腕エージェントであるおじフィル(スティーヴ・カレル)のもとで働き始めた。そしてフィルの命令で、彼の秘書ヴェロニカ“愛称ヴォニー”(クリステン・スチュワート)が街を案内してくれ、ボビーは心を奪われる。秘書のヴェロニカ(ヴォニー)にはワケありの恋人がいた。さて、その恋人とは?


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 ストーリーはここからかなりハチャメチャな展開になり、ウディ・アレンらしい、え、そんなことがあっていいの!みたいな、常識はずれな面白いものになっていく。


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 ブレイク・ライヴリー&ジェシー・アイゼンバーグ

 その後恋に破れて、ニューヨークへと戻ったボビーは、あのいかにも田舎者というイメージから抜け出し、ギャングの兄が経営するナイトクラブの支配人となり頭角を現わしていく。
 そんなある日、奇しくもあこがれのヴォニー(クリスティン・ステュワート)と同じヴェロニカという名の美女(ブレイク・ライヴリー)と出会い、たちまち恋に落ち結婚する。


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 クリステン・スチュワート   

 それなりに幸せな生活を送っていたボビーだったが、ある日そのナイト・クラブに憧れのヴォニーが夫婦連れでやってくる。しかしボビーにはどうしようもなかった。彼女が去った後、その面影を思い浮かべるボビーなのだった。ジェシー・アイゼンバーグが演じると、男の純情さがひときわ強調されると感じた。


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 ジェシー・アイゼンバーグ

 ジェシー・アイゼンバーグが好演していた。彼は色々な役ができるの役者なのだが、こういう朴訥なとっつきやすい男性の役がとても上手いと思った。クリスティン・ステュワートも、フランスでセザール賞の助演女優賞をもらうほどの実力がある女優さんで、今回の役は彼女の美しさが強調されていて、セクシーな魅力にあふれていた。ボビーの奥さんになるヴェロニカ役のブレイク・ライヴリーもとても素敵な女優さんだ。その他ボビーのおじさんフィル役のスティーヴ・カレルは、恰幅がよく、いかにも業界の実力者という雰囲気のあるカッコいい男優さんだった。


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 いつもながらに、ウディ・アレンのキャスティングの上手さがいい作品を創りあげていた。こういう息抜き的な洒落た映画って、なかなかできないと思う。映画のセットもすばらしく、衣装はシャネルが全面的に協力したとのこと。ジャズのメロディーに乗って、大人の喜劇を楽しんだ。


原題:CAFE SOCIETY 出演:ジェシー・アイゼンバーグ、クリスティン・ステュワート、
ブレイク・ライヴリー、 スティーヴ・カレル
2016年 アメリカ




 

ターシャ・テューダー 静かな水の物語 [日本&アジア映画]

 ずいぶん前になりますが、友達がターシャ・テューダーのクリスマスカードをくれたので、彼女がコーギー犬が大好きな絵本作家で、アメリカのバーモント州でスローライフを実践している人だということを知りました。その後、NHKのドキュメンタリー番組でターシャ・テューダーの生活を取りあげたものが何度か放映され、とても興味深いと思いました。私はボランティアで子供図書室活動をしていて、ターシャの絵本を子供たちに読んだりすることもあります。
 今回の映画はそのNHKのドキュメンタリーシリーズを手がけた松谷満江監督が、新たにターシャの生活に密着して追加撮影した映像を、元のものに加えて完成した映画です。


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 ターシャ・テューダーは1915年ボストンの名家に生まれた。父は飛行機、ヨット、帆船などの設計技師、母は肖像画家だった。9歳の時両親が離婚し、コネチカット州の両親の親友の家に預けられその家の型破りな気風に影響を受けた。 


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 19世紀の農村の暮らしにあこがれていたターシャを、母は名家の娘として社交界にデビューさせようとしていた。けれども娘は母親の想いを振り切って、22歳の時、農業をすることに同じ思いを持っていたトマス・L・マクリーディと結婚。数年後二人はニューハンプシャー州に広大な農場を購入した。そして農業を中心として、花壇を作ったり、年中行事を大事にすることなどを通して4人の子供を育てあげた。


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 結婚した後、夫の姪を主人公にした手作り絵本が出版社に受け入れられ、絵本作家としてデビューする。子供や身の回りの動物たちを題材にした、リアルで優しい筆致の絵が一般に好まれ、ターシャの絵本はアメリカの絵本界の最高の賞(コールデコット賞)を受けるまでになる。
 けれども、夫は次第に農業に興味を失い二人は離婚。ターシャは絵本、挿絵、グリーティングカードなどの作成により、収入を得子供たち4人を育てたのだった。


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 ターシャが仕事(絵を描く作業)をしているところ/ターシャと最後に飼ったコーギー犬メギー

 56歳のとき、バーモント州の山の中に森に囲まれた荒れ地を購入し、長男で家具職人のセスに家を建ててもらう。それを「コーギーコテージ」と名付け、荒れ地を何年もかけて自らの手で花でいっぱいの美しいガーデンに創りあげる。そしてスローライフを実践していくのだった。


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 ターシャとその家族

 いくら家族がよく訪問し、コーギー犬のメギーや他の動物がいて、没頭できる仕事があるとはいえ、山の中の一軒家で暮らすというのは、本当に精神的に強くなければできないことだろう。

 ターシャは色々な言葉を残している。
 「一生は短いんですもの、やりたくないことに時間を費やすなんてもったいないわ」

 「人生はたくさんの小さい選択の積み重ね。誰に会って誰に合わないか、それは大事なこと」

 「心は1人ひとり違います。その意味では、人はいつも”ひとり”なのよ」

 「近道を探そうとしないこと。価値ある良いことはみんな、時間も手間もかかるものです」
  などなど。

 農業で鍛えた丈夫な体と精神をもって、ひたすら自分の人生を創りあげてきた偉大な人だと思います。2008年に天国に召されましたが、思い残すことのない人生だったことでしょう。少しでも近づくことができたらと思いました。では最後に「ターシャの庭」をお楽しみくださいませ。

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監督:松谷光絵 出演:ターシャ・テューダー、 その家族と友人たちと動物たち




喜びの泉ターシャ・テューダーと言葉の花束

喜びの泉ターシャ・テューダーと言葉の花束

  • 作者: ターシャ テューダー
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 1999/11/17
  • メディア: 単行本





ターシャテューダー クリスマスのまえのばん

ターシャテューダー クリスマスのまえのばん

  • 作者: クレメント・クラーク ムア
  • 出版社/メーカー: 偕成社
  • 発売日: 2000/11/27
  • メディア: 単行本



メットガラ ドレスをまとった美術館 [外国映画]

 あの「プラダを着た悪魔」のモデルとなったVOGUE編集長アナ・ウィンターが、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開いたファッションイベント”メットガラ”の舞台裏を描いたドキュメンタリーです。
 アナ・ウィンターはメトロポリタンの理事も務めているそうです。そしてメットの服飾部門の資金集めに始めたのがメットガラと呼ばれるレセプションであり壮大なパーティーです。毎年5月の第1月曜日に開かれます。


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 メトロポリタン美術館とアナ・ウィンター(いつもスタバのコーヒーを飲んでます。)
 
 2015年5月2日、NYメトロポリタン美術館(MET)。伝説のファッション・イベント“メットガラ”が華やかに幕を開けた。2015年のテーマは「China: Through the Looking Glass」(鏡の中の中国)。中国の服飾や陶器だけでなく、欧米のそうそうたるデザイナーが中国のアートに刺激を受けてデザインしたドレスも展示される。フランスの一流メゾンの鮮やかなオートクチュールの数々、豪華セレブリティがレッドカーペットを彩るガラパーティー……。企画展示を担当した革新的キュレーターのアンドリュー・ボルトンと、主催者である“プラダを着た悪魔”ことVOGUE編集長アナ・ウィンターにカメラが密着。ゴージャスな一夜を生み出すまでの8か月を追う。


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 メットの大階段と カップルで登場のジョージクルーニー


 いやはや、こんなにゴージャスなパーティーは観たことがない。セレブたちのドレスは全てオートクチュールがお金をだしている。しかもこのパーティーの席料は1人当たり25000ドル(約285万円)で600席が瞬時に満席になるのだそうだ。この収益金は、メットの服飾部門の1年間の活動資金に充てられるとのこと。
 
 たくさんのスターやセレブやオートクチュールデザイナーが次々登場する中、最も目を引いたのは若きポップスター、リアーナだった。彼女のドレスは中国人デザイナーのグオ・ペイが担当したものだ。

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 日本のCMで有名なジャスティン・ビーバーも参加していたが、終始テンションが高く同行の友人とふざけていた。

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 この壮大な展覧会の準備に奔走するのは、メット服飾部門の革新的キュレーター、アンドリュー・ボルトンである。とても感じのいい人だった。

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 ドレスの展示に余念がないアンドリュー・ボルトン 


 そして服飾部門の裏方の人達は、有名やブランドデザイナーから借りた服を慎重に扱い、それらのほころびを修復し、シワをのばしていた。非常に念の入った神経を使う作業だろう。

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 アナ・ウィンターが、ギャラのための、パーティーの席順を決めるのに苦慮しているところと、彼女の私宅での様子。やはりどこにいても忙しさに変わりはないようだ。アナいわく、こういう企画を成功させるには「アートと商業的な才能がどちらも必要」とのこと。

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 その他、ウォン・カーウァイを芸術監督に迎え、デザイナーたちに影響を与えた映画を会場で上映した。キュレーターのボルトンいわく、ウォンは他の人とは思考のプロセスが全く違う、詩人のような人物で、準備中は彼の詩のような言葉を理解する喜びを味わったとのことだった。

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 展示の一部。このほか、陶器でできたドレスなど面白いものがたくさんあった。

 この映画の中で議論されていたのは、「ファッション」はアートなのかどうかということ。そして美術館に飾られるべきなのかというのが最大の論点だった。
 シャネルのカール・ラガーフェルドは、ファッションはあくまでも顧客のもので、自分たちは服を作る職人に過ぎないとのこと。ディオールのジョン・ガリアーノにしても、ジャン・ポール・ゴルチエにしても、服は美しいものではあるがアートがどうかはわからないと言っていた。
 しかし、アンドリュー・ボルトンはファッションはアートの一つと信じていると断言していた。ファッションは私たちの価値観、先入観、限界に挑戦してくれるものだと。

 まぁそういう難しい議論はさておき、映画としては日常を離れた世界をたっぷり楽しめる映像が満載だ。ただストーリー的には、登場人物の仕事の大変さと神経の使い様はわかるが、人間的な内面には迫ってはいなかった。だから心に響くものがあるわけではない。そのことを承知で、非日常的な世界の舞台裏を見たい人や、ファッションというものに、興味のある人は楽しめる作品だと思う。
 
 この映画を観ていて、なんで中国なんだろう!と思っていたところ、2017年5月にはメットでコム・デ・ギャルソン展が催されたようです。すごいですね、川久保玲さん。
 
https://www.vogue.co.jp/lifestyle/culture/2017-05-03-cdg/related/2
 コム・デ・ギャルソン展

原題:THE FIRST MONDAY IN MAY  監督:アンドリュー・リコッシ
2016年 アメリカ


 

ジャッキー/ファーストレディー最後の使命 [外国映画]

 1963年のあの伝説的な事件を、ジャクリーン・ケネディ元大統領夫人に焦点を当てて描いた作品です。何度となく繰り返され放映されたケネディ大統領暗殺のフィルム。そして犯人オズワルト逮捕後も、その当人が連行される途中に射殺されてしまったという、謎が謎を呼ぶ事件でした。真相は今もって藪の中です。

 その劇的な事件のヒロインであるジャクリーン・ケネディ元大統領夫人をナタリー・ポートマンが演じています。彼女の一人芝居という感じの作品で、演技が秀逸でした。
 ジャクリーン・ケネディは24歳でJ.F.ケネディと結婚し、31歳で夫と共にホワイトハウスに入り、34歳で未亡人となったのだそうです。その起伏の多い人生のなかでも、最も緊張感のある4日間を描いています。


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 ジャッキーの愛称で親しまれていたジャクリーン・ケネディ(ナタリー・ポートマン)は、夫ジョン・F・ケネディ大統領のテキサス州遊説に同行。1963 年 11 月 22 日、ダラスでのパレード中、隣りに座っていた夫が狙撃され、帰らぬ人となってしまう。


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 目の前で最愛の人を亡くした彼女には悲しむ間もなく、葬儀の準備、代わりに大統領となる副大統領の就任式への立ち会い、ホワイトハウスからの立ち退きなど、やらなければならないことが山のようにあった。この就任式で、ジャッキーは血だらけの服を着ているのだが、これは彼女の心を象徴的に表したもので、実際にこんなむごいことが行われたとは思えない。


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 さらに、事態を理解できない幼い子供たちにどう接したらいいか悩み、犯人に怒り、様々な感情が入り乱れるジャクリーン。とりわけ、事件直後から夫J.Fケネディーが過去の人として扱われることに憤り、夫が築いたものを単なる過去にはさせまいと決意する。そしてみんなが危険だからと止めるのも聞かず、子供たちの姿を民衆にみせ、自分は国葬の葬列に加わり教会まで棺とともに歩いていくと決心するのだった。


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 これほど毅然として誇り高い女性がいただろうか。普通の人なら気絶してもおかしくないような事態に、夫ジョン・F・ケネディを守るため最後まで戦ったのが、ジャクリーンだったのだと理解できた。それを巧みに表現したナタリー・ポートマンが本当にすばらしかったと思う。


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 ジャクリーンはのちに海運王オナシスと再婚するものの、オナシス亡き後は出版社に入社し、編集者として働きました。そして1994年に享年64歳で死去。”永遠の炎”が灯されたケネディのお墓の隣に埋葬されたのだそうです。映画になるほど数奇な運命を精一杯生きた女性だったのだなと感動しました。

 そして、ナタリー・ポートマンがとてもすばらしい女優さんに成長したのを目の当たりにして、嬉しく思いました。今後も大いに活躍してくれることが想像に難くないです。

原題:JACKIE 監督:パブロ・ラライン 制作:ダーレン・アロノフスキー 
出演:ナタリー・ポートマン、 ピーター・サースガード、 ビリー・クラダップ、 
ジョン・ハートetc.
2016年 アメリカ/チリ/フランス




miniなできごと16 [日記・雑感]

 昨日、友達のHさんと大阪キタ新地にあるANAクラウンホテル内の「メゾンタテルヨシノ」のランチに行って来ました。この写真はランチコース5000円の一品「季節の野菜 モネの庭園をイメージして」という料理で、45種類の野菜を使っています。それを生のまま、茹でる、揚げるという調理法で出してくれます。すごく新鮮で珍しく美味しいお野菜ばかりでした。他のお料理もとてもおいしく、ぜひまた訪れたいお店になりました。ソムリエさんやギャルソンの人達も感じがよく、色々説明してくれたのが楽しかったです。


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メゾンタテルヨシノ大阪
https://www.anacrowneplaza-osaka.jp/restaurant/tateruyoshino/#

 ここは銀座と汐留にもあるんですって。汐留はカジュアルな店と言ってましたよ。

 このあと、二人で映画を観に行きました。タイトルは「おとなの事情」で、シネ・リーブル梅田で上映していました。パオロ・ジュノベーゼ監督作品で、イタリアでヒットした映画です。


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 夫婦3組と男性1人の7人が集う夕食の場。新婚のエヴァが、食事中にかかってきた電話やメッセージをみんなオープンにしようと提案する。詰め寄る女性陣に、男性陣は渋々承諾し、テーブルに7台のスマートフォンが並ぶ。メールが来たら全員の目の前で開く、かかってきた電話にはスピーカーに切り替えて話すというルールで、究極のゲームが始まる……。
 かなりブラックな作品で、セリフ劇です。セリフ劇といえば、ウディ・アレンの映画が有名ですが、彼の作品はブラックな中にもわりあいユーモラスなところがあるのが多いのです。ところがこのイタリアのジュノベーゼ監督作品は、だんだんと深刻になっていくのが特徴。実は私、ランチでワインを飲んだせいで、途中眠ってしまいました!(-_-;) 目が覚めたときは、ほとんど全員喧嘩状態の悲惨な場面……。感想としては、スマホの中はホラーの世界[がく~(落胆した顔)] 夫婦や恋人との絆を大事にしたい人は、絶対にスマホを公開してはいけません。(笑) 


miniなできごと15-海北友松展(京都国立博物館) [日記・雑感]

 京都の鴨川べりの桜です。柳や他の樹の緑の中に桜があるのが、風情をかんじさせます。

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  この日は京都国立博物館の「海北友松展」へ、友人と一緒に行きました。海北友松は最初は浅井家の家臣、海北家の武士だったのですが、父や兄を信長に滅ぼされ、狩野派の門をたたき絵の道へ進んだ人です。

 狩野派独特の豪華な金屏風に描かれた牡丹の絵などの、彩色されたすばらしいものもあります。

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 花卉図屏風(かきずびょうぶ)妙心寺



 武士の気迫がほとばしるような、水墨画の数々。特に神獣「龍」を描いた雲龍図が怖いくらいの迫力でせまってきます。まるで今にも龍が画面から飛び出してきて、暴れまわるのではと思うくらいの凄みです。

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 雲龍図 建仁寺



 最晩年の最高傑作とされる月下渓流図屏風がアメリカの美術館から60年ぶりの里帰りです。友松が最晩年にたどり着いた孤高の境地を表したものだそうです。所どころに色がついているのが、友松の水墨画の特徴です。情感豊かで静謐な画風の絵です。

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 月下渓流図屏風(げっかけいりゅうずびょうぶ) ネルソン・アトキンズ美術館(米国)


 他にも色々と魅力的な作品や、書状や文書類など70余件が展示されています。ぜひいらっしゃることをお勧めします。5月21日(日)までと期間があまり長くないので、お気を付けくださいませ。