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グリーンブック [外国映画]

 この映画の舞台は、1960年代のアメリカ南部で人種差別が当然のように行われていた時代だ。作品は、実在の天才的黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーと彼に雇われ一緒に旅をする用心棒トニー・リップ・バレロンガの話である。生い立ちも性格も全く違う二人が、最初は互いに嫌悪感をもちながらも、色々な事件に遭遇して、心を通わせ合うロード・ムービーだ。


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 黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)は、教養もあり、身だしなみもよい。そして、ピアノ演奏の腕は国内でも誰もが認めるものだった。


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 これは、カーネギーホールの上に住むドクター・シャーリーが、面接で、用心棒のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)を雇うシーンで、民族衣装を着て出て来るのだ。実際のドクター・シャーリーも、このような衣装を身につけていた写真があるそうだ。マハーシャラ・アリは、この衣装がすごく似合っている。


 ところで「グリーンブック」とは50年代から60年代、人種差別の激しかった南部を旅する黒人のために作られた、施設利用ガイドのことである。イタリア移民でマフィア御用達のクラブ用心棒だったトニー(リップ)・バレロンガは、イヤイヤながら新しい仕事に就くことになる。雇い主の黒人ピアニストのドクター・ドン・シャーリーと、南部演奏ツアーに運転手兼ボディガートとして同行するとき、グリーンブックが必要なのだった。


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 トニーこと、ヴィゴ・モーテンセンとドクター・シャーリーこと、マハーシャラ・アリ
 

 トニーは、ガラが悪くて教養もないが、口が達者なのでトニー・リップと称されていた。それに、その人柄から、皆に頼りにされていた。だが、働いていたクラブが改装のため閉まってしまうため、彼はどこかに職を見つけなければならなかったのだ。


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 リンダ・カーデリーニ(ドロレス・バレロンガ)とヴィゴ・モーテンセン(トニー)

 美人の奥さんを家に残して、トニーの旅が始まった。


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 行く先々で、ドクター・シャーリーは大変な人気で、いつもコンサートは超満員だった。けれども、彼らは常に黒人差別に出くわした。例えば、楽屋は物置のような部屋だったり、紳士服の店でいいスーツを見つけたトニーは、ドクターに試着するようにいうと、店主がとんできてとめたりと、嫌な思いをしたのである。


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 南部での最後のコンサートは、クリスマスイブだった。その日、コンサートの前に、会場に隣接の高級レストランで食事するために、ドクターとトニーが入っていくと、レストランのマネジャーがどうしても、ここでは黒人は食事できないので、黒人専用のレストランへ行けというのだった。
 
 ドクターはこういうことには、もう耐えられないといって、二人はコンサートをキャンセルして、帰路についた。途中、ドクターが「俺は何者なんだ!」と泣くシーンがあって、とても印象的に、ドクターの心の孤独を表現していたと思う。

 その旅の後、ドクターとトニーの友情は終生続き、この作品は、トニー・バレロンガの息子のニック・バレロンガが共同脚本を書いている。この人は映画人だそうだ。ニックはドクターに関するたくさんの資料や写真、二人が南部を旅したときの資料も父から譲り受け、それにドクターへのインタビューメモも一緒に、ピーター・ファレリー監督に提供した。

 ピーター・ファレリー は、『メリーに首ったけ』や『ジム・キャリーはMr.ダマー』などのコメディーを手掛けてきた。私も「メリー・・・」は観たことがある。彼は「本作は他の自作の映画とは違ったトーンになるということはわかっていて、軽すぎるようなものにはしたくなかった。全てのコメディーはドラマの中から自然に生じるようにしなくてはいけなかった。ヴィゴとマハーシャラの演技がおかしさを生んでいるんだよ」と言っている。

 先日たまたまEテレをみたときに、ファレリー監督が出ていて「今は分断の時代だから、正反対の二人の間に友情が生まれるなら、希望もある」と物語に込めた思いを明かしていた。

 そして、先日の第91回アカデミー賞では、全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。マハーシャラ・アリは「ムーンライト」に続いて、2度目の受賞だそうだ。


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 満面の笑みですね!本当に素敵ないい俳優だと思います。これからもマハーシャラの出演作は逃さず見ていこうと思います。

 そして、ヴィゴ・モーテンセンは、「イースタン・プロミス」のカッコよさが記憶に焼き付いていますが、今作では、20㎏も体重を増やして臨んだとのこと。その努力に頭が下がります。俳優という職業はすごいですね。

 この映画、本当におもしろいし結構奥が深いです。それをシリアスに描かずに、ときにはクスッと笑えるようにえがいているところが、監督の才能だと思います。

 ドクター・シャーリーのユニークなピアノ演奏がすばらしいので、サウンドトラックを買おうかなと思っているところです。映画の中の演奏は、クリス・ボワーズという現代の才能あふれるピアニストが演奏しているとのこと。ぜひご覧になってください。


Blue Skies (ドクター・ドン・シャーリー・トリオ)
https://youtu.be/vDFnYOOovp8


原題:GREEN BOOK 監督::ピーター・ファレリー 出演:ヴィゴ・モーテンセン、
マハーシャラ・アリ、 リンダ・カーデリーニ、 ディミテル・D・マリノフetc.
2018年 アメリカ




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コメント 40

きさ

いい映画でした。アカデミー作品賞を受賞しただけのことはあります。
ピーター・ファレリー監督がこんないい映画を作るとは。
ヴィゴ・モーテンセンは20キロ体重を増やしたとか。
ピアニストを演じるマハーシャラ・アリも良かったです。
結構笑わせてハラハラさせてラストは静かな感動が。
最後に実際のモデルの二人の写真が登場する所は思わず涙。
by きさ (2019-03-19 06:08) 

coco030705

@ミックさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪


by coco030705 (2019-03-19 07:45) 

coco030705

鉄腕原子さんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪




by coco030705 (2019-03-19 07:45) 

coco030705

きささんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

ほんとにいい映画でした。ピーター・ファレリーの「メリーに首ったけ」からは予想もできないような、いい作品ですね。
でも、コメディを創っていたからこそ、シリアスなストーリーのなかにも、観客を楽しませる、笑わせるシーンが生まれたということでしょうね。
トニーとドクターの間の友情が、息子さんに受け継がれ、それが映画として実を結んだとは、感動しますね。


by coco030705 (2019-03-19 07:53) 

coco030705

xml_xslさんへ
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by coco030705 (2019-03-19 07:55) 

coco030705

怪しい探麺隊さんへ
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by coco030705 (2019-03-19 07:56) 

TaekoLovesParis

私のまわりでも、「いい映画」って評判になってます。来週、見に行く予定です。そうしたら、コメントしますね。
by TaekoLovesParis (2019-03-19 09:09) 

coco030705

Taekoさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

人種差別というシリアスな題材を扱っていますが、↑にも書いたように、監督のファレリーがコメディ映画ばかり創っていた人なので、観辛いような場面はほとんどありません。ストーリーとして、感動的です。ヴィゴとマハーシャラの上手い演技も楽しんでくださいね。

by coco030705 (2019-03-19 09:42) 

coco030705

zombiekongさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-19 11:00) 

coco030705

カメラde防犯さんへ
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by coco030705 (2019-03-19 18:37) 

coco030705

はっこうさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-19 18:37) 

coco030705

アルファルハさんへ
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by coco030705 (2019-03-19 18:38) 

coco030705

芝浦鉄親父さんへ
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by coco030705 (2019-03-19 20:58) 

coco030705

angie17さんへ
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by coco030705 (2019-03-19 22:40) 

Inatimy

予告編、探してみてみました。実話だったんですね。
手紙の書き方をアドバイスするシーンにクスッと笑い^^。
ヴィゴ・モーテンセン、私にはロード・オブ・ザ・リングのアラゴルンのイメージだったので、
20kg増量しての全く違うキャラクター、すごい変身ぶりにびっくり。
by Inatimy (2019-03-20 17:43) 

coco030705

Inatimyさんへ
こんばんは。nice!&コメントありがとうございます♪

そうそう、あの場面とてもいい感じですよね。二人の気持ちが近づくような感じで。
ヴィゴ・モーテンセンは、カッコイイ俳優というイメージしかなかったので、あのぽってりと太った体に最初は、びっくりしました。彼も、この役は自分に合わないからと監督に断ったらしいのですが、脚本が良くてストーリーが感動的なものだったため、最後には承諾したとのことです。そして、20㎏の増量!苦しかったでしょうね。完璧主義者のヴィゴらしい、役作りですね。

by coco030705 (2019-03-20 20:18) 

coco030705

soramoyouさんへ
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by coco030705 (2019-03-20 20:22) 

coco030705

ryo1216さんへ
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by coco030705 (2019-03-20 20:24) 

coco030705

いっぷくさんへ
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by coco030705 (2019-03-20 20:24) 

coco030705

kontentenさんへ
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by coco030705 (2019-03-20 20:25) 

coco030705

mayuさんへ
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by coco030705 (2019-03-20 22:27) 

coco030705

SORIさんへ
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by coco030705 (2019-03-20 22:49) 

coco030705

ネオ・アッキーさんへ
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by coco030705 (2019-03-21 10:39) 

コザック

こんばんは
良い作品でしたね。静かな感動がこみ上げてきます。
さいごにパーティに集まる姿がとても心温まりました☆
by コザック (2019-03-21 20:25) 

coco030705

コザックさんへ
こんばんは。コメントもありがとうございます♪

本当にいい映画でした。二人の名優の演技がすばらしかったし、
ストーリーも音楽もよかったですね!最後がまた、泣かせる終わり方。これは、ピーター・ファレリー監督ならではという感じですね。
マハーシャラ・アリ、次回作は主演みたいですよ。こちらも楽しみです。

by coco030705 (2019-03-21 20:59) 

coco030705

(。・_・。)2kさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-21 23:55) 

coco030705

mphotoさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-22 01:06) 

coco030705

tarouさんへ
こんにちは。nice!とご訪問こんにちはありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-22 13:35) 

coco030705

kazukazuさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-22 17:32) 

coco030705

engridさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪
よろしかったら、またお越しくださいませ。お待ちしています。


by coco030705 (2019-03-23 08:17) 

のらん

いい作品でしたか♪ これは、ぜひ観たい映画です〜♪
予告編でチラッと観ただけですが、ドクター・シャーリーの
不思議な存在感にひきこまれますよね〜(^.^)
by のらん (2019-03-23 11:47) 

coco030705

のらんさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

とてもよかったですよ。ヴィゴとアリの、息の合った演技が、観客を物語りの中に引き込みます。
マハーラジャ・アリは、とてもスキッとして、上手かったです。一方、ヴィゴ・モーテンセンは、20㎏も体重を増やして、トニーになりきろうとしていました。トニーは初め、ガラの悪い、なんとなくいけ好かないヤツという感じでしたが、物語が進むにつれて、だんだん頼りになるいいヤツという感じに変化します。その辺りをヴィゴは上手く演じていました。もし、ボヘミアン・ラプソディがなかったら、アカデミー賞は、ヴィゴとアリのダブル受賞だったかもと思ったりします。
by coco030705 (2019-03-23 15:57) 

coco030705

ありささんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-24 12:47) 

coco030705

ぼんぼちぼちぼちさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-24 19:35) 

Naka

こんばんは。
いい映画でしたね。
対照的な二人に生まれる友情に心温まりました。
脚本が素晴らしいと思いました☆
by Naka (2019-03-24 23:33) 

coco030705

Nakaさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます♪

やはり脚本が、トニーの息子さんが共同担当したというのが大きいでしょうね。トニーとドクターの描き方に、愛情が感じられます。
監督のピーター・ファレリー、次回作はどんな作品になるのでしょう。楽しみです。


by coco030705 (2019-03-25 09:02) 

coco030705

takaさんへ
こんばんは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-03-27 22:20) 

coco030705

ゆきちさんへ
こんにちは。nice!とご訪問ありがとうございます♪

by coco030705 (2019-04-09 10:59) 

non_0101

こんにちは。
いい映画でしたね~ 爽やかな余韻でとても心地良く観終わりました。
二人の友情が生涯続くのが素敵です。
生きるのが難しい時代だったかもしれませんけど、二人が出会えて本当によかったです(^^)
by non_0101 (2019-05-04 00:40) 

coco030705

nonさんへ
こんにちは。nice!&コメントありがとうございます♪

全く違うタイプの二人が出会って、心を通わせ合うのが、すばらしいなと思いました。ラストも良かったですね。温かい気持ちになりました。



by coco030705 (2019-05-04 21:37) 

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